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事業に対する採算計画を立てたいと思っています。初期投資の見積り表とか、それからの採算計画表とかをつくりたいと思いますが、モデルとなるものはありますか。

A 事業に対する全般的な採算計画についてのご質問ですが、大きく以下の2つに分けて考える必要があります。
1. 初期投資段階の資金面を検討する「投資計画」と「資金調達計画」 
2. 事業から生み出される採算性を検討する「利益計画」 

1.「投資計画」と「資金調達計画」
 事業を開始する段階でどれだけの資金量が必要かを検討するのが「投資計画」で、その所要資金をどこから調達するかを検討するのが「資金調達計画」です。
 まず投資計画ですが、その代表的な項目が事業実施に必要な固定資産(土地、建物、設備、特許等)の取得金額です。賃貸に伴う保証金等もこれに該当しますが、設備をリースで導入する場合のリース料は採算計画の費用に計上しますのでここでは該当しません。また、忘れがちなのが当面の原材料や人件費等の支払い金額で、商品を販売して代金が回収されるまでの間の資金ニーズが生じますので、これらの金額をすべて見積もって投資計画を完成させます。
 資金調達計画は、投資計画で判明した所要資金額の調達源泉を検討するもので、主に金融機関からの借入金と自己資金から構成されます。自己資金とは企業内部の資金のことで、新たな投資に振り向けることが可能な余剰資金を意味します。
 
 長期資金は自己資金または長期借入金、短期資金は短期借入金というバランスも大切です。


2.「利益計画」
 「利益計画」は「売上高−費用=利益」で作成します。言うまでもなく、売上高は一定期間(月間や年間)に販売可能な予想金額です。それに対して、費用はその売上高を達成するのに要する予想金額で、販売する商品の生産・仕入にかかる費用は「売上原価」(製造業では「製造原価」、卸小売業では「仕入原価」と呼ぶ)に、販売活動にかかる費用は「販売費」に、会社を維持・運営するために必要な費用は「一般管理費」にそれぞれ分けて計上します。
 発生費用を見積もる際に知っておきたいことは、費用を「変動費」と「固定費」に分ける「費用分解」という概念です。
 変動費とは、売上高に比例して発生する性格を有する費用(例えば、材料費や商品の仕入費用や販売促進費)で、「変動費比率」(変動費÷売上高)は常にほぼ一定です。つまり、変動費比率がわかっていれば、任意の売上高に変動費比率を乗じることでその時の変動費を見積もることができます。売上高から変動費を差引いた残りを「限界利益」といいます。
 固定費は売上高に関係なくほぼ一定して発生する性格を有する費用(人件費や減価償却費)です。個々の固定費科目ごとにその発生額を見積もり、積み上げて全体の固定費を計画します。こうして、売上高から費用を控除した残りが事業から生み出される営業利益です。
 
 実際には固定費も所要の増加を見込みます。利益で借入金を返済していけることが必要です。

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